HOKURYO The Wizards of Gases.

医療と防災の「ヒトづくり×モノづくり プロジェクト」

医療と防災の「ヒトづくり×モノづくり プロジェクト」

PROJECT

災害用酸素供給システム

2011.06.15

被災した病院や避難所で医療用酸素と吸引を供給する装置

 

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東日本大震災では多くの医療機関が被災しました。

岩手県沿岸部の病院では津波により全壊した施設がある一方、浸水、倒壊を免れた一部の施設を使用して一時的に患者への医療を継続していた施設もありました。

電気、ガス、水道などのインフラは機能せず、命綱とも言える医療用酸素ガスや気管吸引が途絶えた施設では、医療を継続することが困難となり、実際に患者が命を落としたケースがありました。

1階が津波で浸水しつつも、2階に患者を避難させて救援を待つ病院。

医療機関が被災したために、小学校などの避難所で開設された仮設の診療所。

通常、災害時の酸素供給は酸素ボンベに頼ることが多いのですが、限られた容量のために長時間、大量に酸素を供給することは難しい。また、電気がない状態で多くの患者の気管吸引をするにはバッテリーでは時間が十分ではなく、また手動式の吸引器では時間と労力がかかりすぎる。

実際に経験した、こうしたケースに対応するために、電気を必要とせずに長期間、大量の医療用酸素の供給と気管吸引を実現する、災害用酸素供給システムを開発しました。

災害用酸素供給装置

医療用液化酸素の可搬式液化ガス容器(LGC:容量132m3)を2本まで接続可能。

2tトラックが走行可能な地域であれば、医療用液化酸素の容器は輸送が可能で、各系統に元バルブがあるため、酸素供給を止めることなく容器交換が可能です。

電気を使用せずに自然気化で酸素ガスとなり、4個ある医療用酸素アウトレットからそれぞれ、最大60L/分の医療用酸素を供給します。

アウトレット1箇所あたり、60L/分の供給能力なので、4箇所並列で接続した場合には、240L/分の医療用酸素供給が可能です。供給圧力は病院内と同じ、約0.4MPaを基準とし、供給する配管、ホースの長さ、圧力損失に応じて、圧力の調整を行い送気流量を安定させます。

例えば、アウトレット1系統から、3L/分で酸素吸入する患者が20人に医療用酸素を供給することが可能になるため、

酸素配管が利用できる一部の病棟だけ壁のアウトレットから酸素を逆送したり

仮設診療所や災害拠点病院に開設されたHOTステーションや医療ガス設備のない処置エリアへの酸素供給が数日から数週間の長期間にわたり実現します。

図2

 

また、酸素の供給圧力を利用して吸引する、インジェクター式の吸引器を準備することで電源や吸引設備がなくとも、通常の院内で使用されている気管吸引と同様の作業が可能になります。

酸素供給と並び、気管吸引は患者のケアに欠かせない要素です。

医療と防災のモノづくり・ヒトづくり プロジェクトにより開発された、このシステムにより

こうした、重要な医療ガス供給機能を大規模災害時にも継続することが出来るようになりました。

引き続き、実際に役立つモノ、現場で活躍できるヒトを創っていきます。

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